ICチップ付きクレジットカードは安全?ICチップの意味やどういったメリット・デメリットがあるのかを解説
2015/05/03

ここ数年で発行されたクレジットカードの多くにはICチップが内蔵されており、店頭での決済は暗証番号入力が一般的になっています。
みなさんのお持ちになっているカードもおそらくICチップ付きクレジットカードではないでしょうか。クレジットカードの表面左側にある金色の四角いマークがICチップです。
まだクレジットカードを持っていない方は、ICチップ付きのクレジットカードとICチップが付いていないクレジットカードの違いが分からないと思うので、ICチップの意味やどういったメリット・デメリットがあるのかを解説します。
これからクレジットカードを作ろうと考えている方の不安が少しでも解消されればと思います。
目次
ICチップ付きクレジットカードの歴史
ICチップ付きのクレジットカードが登場したのは1993年。
偽造カードによる被害が多発していたため、国際ブランドであるEuropay (ユーロペイ)、MasterCard、VISAが共同で開発したのが決済業務用ICカードです。
それ以前にもICチップはすでにありましたが、決済業務を行うためのICカードはこの時が初めてです。
3社の頭文字を順番にとって「EMV」と名称が付けられ、全世界的にEMV仕様ののICカードが標準になりました。
ICチップが付いていないクレジットカードの弱点
ICチップが付いていないクレジットカードは、磁気ストライプといって、カードの裏側にある黒い部分をスキャナに通して情報を読み取るのですが、これには3つの弱点があります。
①磁気に弱い
②情報の記憶量が少ない
③スキミングで簡単に情報を抜き取られる
磁気に弱い
1つ目の弱点は、磁気に弱いということ。強い磁石の近くに置くとクレジットカードが使い物にならなくなるということがたびたび起こります。昔は電子レンジやブラウン管テレビの上に置いておくだけでもすぐダメになってしまいました。
クレジットカードだけでなく、キャッシュカードや診察券なども同様に使えなくなるので、みなさんの中にも経験したことがある人もいるのではないでしょうか。
情報の記憶量が少ない
2つ目の弱点は情報の記憶量が少ないということ。磁気ストライプカードの記憶容量はおよそ数10バイト~100バイト強です。そのため、「1枚のカード = 1つの機能」しかなく、複数のサービスを1枚のカードで受けるのには限界がありました。
スキミングで簡単に情報を抜き取れる
3つ目の弱点はセキュリティ面が弱く、安全性がなかったということ。
スキミングや偽装カードは、平成14年をピークに年間100億円以上もの被害を出しています。
磁気ストライプカードは、いわばカセットテープの中身がむき出しになった状態のようなものなので、第三者がクレジットカード番号や有効期限を読み取ってカードを複製することが容易でした。
以上、3つの弱点を克服するために生まれたのがICチップ付きクレジットカードです。
ICチップ付きクレジットカードのメリット
ICチップ付きクレジットカードの最大のメリットはスキミング犯罪の被害に合いにくいということです。
磁気ストライプカードは、スキャナに通してサインで決算するのに対し、ICチップ付きクレジットカードは暗証番号の入力が必要になります。そのため、拾ったカードを勝手に使われたり、スキミング被害にあっても店頭ではカードの持ち主しか使えません。
また、スキミング行為自体行うのも難しくなり、ICカードにしてからは劇的にカード犯罪が減ったというデータもあります。
セキュリティ面以外にもメリットがあり、ICチップ付きクレジットカードは暗証番号を入力するだけで本人確認が可能です。そのため、手間がかからず、よりスピーディーにショッピングができるようになりました。
ICチップ付きクレジットカードのデメリット
磁気ストライプカードと比べるとメリットしかありませんが、デメリットも少なからずあります。
①発行コストがかかる
②暗証番号が不正に使用された場合は保証の対象外
磁気ストライプカードに比べ、発行コストが高くなってしまうので、JCBカードのようにICチップ付きクレジットカードの発行に積極的なところもあれば、磁気ストライプカードしか発行していない会社もあります。
また、あまり知られていませんが、実は多くのクレジットカードは暗証番号で不正に使用された場合、保証の対象外にしています。今までは、不正に使用された場合、保険などで全額保証されていたのですが、ICチップ付きクレジットカードの導入後、保障内容が変わってしまいました。
クレジットカードを作るときは、しっかりと保障内容を確認したほうがいいです。また、暗証番号は絶対に漏らさないようにしましょう。
これから作る人はICチップ付きクレジットカードをおすすめします
これから作るのであればICチップ付きクレジットカードをおすすめします。
すべてのカードがICチップ付きということではないので、作りたいカードがあった時に、それが「磁気ストライプカード」なのか、それとも「ICチップ付きクレジットカード」なのかをしっかり把握しておきましょう。
また、ヨーロッパなどではICチップ付きクレジットカードしか使えないところもあるため、海外旅行で使うのであれば注意が必要です。
おすすめのICチップ付きクレジットカード
とはいえ、どれを選べばいいのかわからないという人もいると思うので、おすすめのICチップ付きクレジットカードをいくつかご紹介します。
自分のライフスタイルにあったクレジットカードを選んでください。
信頼と安心で選ぶなら「三井住友VISAカード」
三井住友VISAクラシックカードA | |
発行会社 | 三井住友カード株式会社 |
申し込み資格 | 高校生を除く、満18歳以上の方 |
年会費 | 1,500円+税【初年度無料】 (「マイ・ペイすリボ」登録で次年度以降も無料。「Web明細書サービス」利用で500円割引) |
還元率 | 0.5〜0.65% |
国際ブランド | VISA , MasterCard |
初期利用限度額 | 10万~80万 |
海外旅行傷害保険 | 【自動付帯+利用付帯】最高2,000万円 |
国内旅行傷害保険 | 【自動付帯+利用付帯】最高2,000万円 |
「VISA = 三井住友」と言われるぐらい抜群の人気と知名度を誇る「三井住友VISAカード」。銀行系カード会社の老舗ブランドでもあり、国内で最初にVISAカードを発行したことでも知られています。
名前に VISA と付いていますが、マスターカードでも作ることができます。また、年会費を無料にする裏技があるので、節約志向の方にもおすすめです。
還元率で選ぶなら「リクルートカード」
リクルートカードプラス | |
発行会社 | 株式会社リクルートホールディングス |
申し込み資格 | 高校生を除く、満18歳以上の方(電話連絡可能な方) |
年会費 | 2,000円+税 |
還元率 | 2% |
国際ブランド | JCB |
初期利用限度額 | 10万~100万 |
海外旅行傷害保険 | 【自動付帯】最大3,000万円 |
国内旅行傷害保険 | 【自動付帯】最大3,000万円 |
クレジットカード業界でも圧倒的な還元率の高さを誇るのが「リクルートカードプラス」。通常のクレジットカードの還元率は 0.5〜1.0% 程度に対し、リクルートカードプラスは 2.0% もあります。
全クレジットカードの中でも最高クラスの還元率です。
付帯サービスで選ぶなら「レックスカード」
REX CARD(レックスカード) | |
発行会社 | 株式会社ジャックス |
提携会社 | 株式会社カカクコム |
申し込み資格 | 高校生を除く、満18歳以上の方(電話連絡可能な方) |
年会費 | 2,500円+税【初年度無料】 |
還元率 | 1.75%(通常) 2%(価格.com安心支払いサービス) 2.25%(リボ) |
国際ブランド | VISA |
初期利用限度額 | 下限:60万円 上限:200万円 |
海外旅行傷害保険 | 【自動付帯】最大2,000万円 |
国内旅行傷害保険 | 【利用付帯】最大1,000万円 |
JACCSと価格.comが提携し、還元率が通常時でも 1.75% ある「REX CARD(レックスカード) 」は、現金でのキャッシュバックが可能であったり、旅行傷害保険が充実しているなど嬉しい特典がたくさんあります。

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